お知らせ
  • コロナ対策のゼロゼロ融資、不良債権増加

    ゼロゼロ融資

    コロナ禍で導入された中小企業向けの「ゼロゼロ融資」など特別貸付の状況を会計検査院が調査した結果、回収不能となった貸付債権が、697億円に上っていることがわかりました。また、不良債権が2022年度末に約8,700億円と全体の6%なっています。

    「ゼロゼロ融資」は、コロナ禍で中小企業の資金繰りを支援するために、実質無利子・無担保で政府系金融機関や民間金融機関が融資した制度です。2020年3月から始まり、コロナ禍で中小企業の資金繰りを支え、倒産が大幅に抑えられる効果を発揮したました。その反面、企業を助けるために審査の精度よりスピード重視だったため、すでに経営が行き詰まっていた企業を延命させたりと、返済の見込みがない企業にも融資していました。

    10月倒産33%増

    東京商工リサーチによると、2020年7月から2023年9月までの累計の倒産(負債額1,000万円以上)件数は1,077件となっています。また、2023年10月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、793件と前年同月比で33.0%増加していることがわかりました。

    企業の倒産が増えている背景として、「ゼロゼロ融資」の返済が本格化したことが挙げられます。2023年に入って猶予期間が終わる企業が続出し、7月には5万社で返済が始まっています。物価の高騰や人件費の上昇、人手不足等で経営が厳しい中、返済が始まり資金繰りが困難な企業が増えていると考えられます。