厚生労働省は、令和6年に全国の労働基準監督署が実施したトラック、バス、タクシーなどの自動車運転者を使用する事業場に対して行なった、監督指導(立入調査)や送検等の状況についての取りまとめを公表しました。
監督指導の概要
監督指導を受けた事業場は4,328件。そのうち、81.6%にあたる3,532事業場で労働基準関係法令違反が認められました。また、改善基準告示に違反している事業場は54.5%(2,360事業場)に上りました。
主な違反事項
労働基準関係法令違反
- ・労働時間(42.9%)
- ・割増賃金の支払い(22.6%)
- ・労働時間の状況把握(7.0%)
<業種ごとの監督実施事業場数、法令違反事業場数及び主な違反事項>

(引用元:厚生労働省より)
改善基準告示違反
- ・最大拘束時間(39.4%)
- ・休息期間(28.4%)
- ・総拘束時間(27.6%)
<業種ごとの改善基準告示違反事業場数及び主な違反事項>

(引用元:厚生労働省より)
重大・悪質な違反については59件が送検されています。
対応状況
厚生労働省は、自動車運転者の労働条件を確保するため、事業場への法令周知や監督指導を引き続き続けます。悪質な法令違反を繰り返す事業場には、送検を含めた厳正な対応を取る方針です。
また、トラック運転者の長時間労働対策として、令和4年12月より、荷待ち時間の削減などを荷主へ要請する「荷主特別対策チーム」を設置し、取り組みを進めています。