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  • 企業のAI導入率は31% 厚労省「労働経済動向調査」が示す活用の実態

    厚生労働省が公表した「労働経済動向調査(令和8年2月分)」の結果によると、事業所におけるAIの導入と活用の現状が明らかになりました。

    労働経済動向調査の概要

    この調査は、景気の変動が雇用などに及ぼしている影響や今後の見通しを明らかにし、労働経済の変化や問題を把握することを目的に、四半期ごとに実施されているものです。

    今回の調査(令和8年3月30日公表)は、主要産業の規模30人以上の民営事業所を対象に行われ、有効回答を得た3,136事業所の結果を集計したものです。今回は特別項目として、「令和8(2026)年新規学卒者の採用内定状況」とともに、「AIの導入状況」についても調査が行われました。

    AIの導入状況

    令和8年2月1日現在の調査によると、「AIを導入している」とする事業所の割合は31%となりました。「導入していない」とする事業所は67%と過半数を占めていますが、企業規模別に見ると大きな差が出ています。

    • ・1,000人以上: 48%(約半数が導入済み)
    • ・30~99人: 16%
    AIの導入状況

    (引用元:厚生労働省)

    このように、規模が小さくなるほど導入率が低くなる傾向にあります。産業別では、「金融業、保険業」が64%、「情報通信業」が58%と高い水準にある一方で、「運輸業、郵便業」や「医療、福祉」は17%に留まっており、業種による違いが浮き彫りになりました。

    AI活用の目的は「現場の負担軽減」

    AIを導入している事業所のうち、実に94%が明確な狙いを持って活用しています。その具体的な内容(複数回答)をみると、以下の項目が上位に挙がりました。

    • 1.作業負担の軽減や作業効率の改善(93%)
    • 2.人手不足の解消(47%)
    • 3.労働時間の短縮や休暇・休日の増加(46%)
    AI活用の目的

    (引用元:厚生労働省)

    多くの企業が、深刻化する人手不足への対策や、働き方改革に直結する業務効率化の手段としてAIを位置づけていることがわかります。

    導入後の効果:約8割の事業所が手応えを実感

    注目すべきは、AI導入後の満足度の高さです。導入済みの事業所のうち、78%が「活用後に効果があった」と回答しています。

    「効果があった」とする具体的な内容では、「作業負担の軽減や作業効率の改善」が91%と突出しています。次いで「品質の向上(33%)」、「労働時間の短縮や休暇・休日の増加(25%)」と続いており、導入前の狙いが概ね達成されている状況がうかがえます。

    導入後の効果

    (引用元:厚生労働省)

    今後の展望

    現在「導入していない」と回答した事業所のうち、今後の導入予定があるのは9%に留まり、58%は「導入予定はない」としています。しかし、導入済みの企業の多くが具体的な効果を実感していることから、成功事例の蓄積や、より安価で導入しやすいAIツールの普及により、今後は中小規模の事業所へも波及していくかが注目されます。

    人手不足が社会課題となる中で、AIは単なる「効率化ツール」から、事業継続に欠かせない「不可欠なインフラ」へと変化しつつあると言えそうです。

    <引用:厚生労働省「労働経済動向調査(令和8(2026)年2月)の概況」
    https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai/2602/index.html