外国の運転免許証を日本の免許証に切り替える「外免切り替え(外国免許切替)」制度について、警察庁は昨年10月に審査を厳格化しました。その結果、知識・技能試験の合格率が大幅に低下していることが明らかになりました。
合格率が大幅に低下
警察庁の発表によりますと、厳格化後の昨年10~12月に実施された試験では、交通ルールの理解を確認する「学科試験(知識確認)」の合格率は42.8%となりました。これは2024年の92.5%から半分以下に落ち込んだ水準です。
また、実車による「実技試験(技能確認)」の合格率も13.1%にとどまり、2024年の30.4%から大きく低下しました。
警察庁は「厳格化の影響があった」と分析しつつ、今後も交通ルールや運転技能の確認を徹底していく方針を示しています。
試験内容の変化
今回の見直しでは、特に知識試験が大きく変更されました。
- ・出題数を従来の10問から50問に増加
- ・合格基準を正答率70%以上から90%以上へ引き上げ
これまで「問題が簡単すぎる」との指摘があったことを踏まえ、日本で安全に運転するために必要な知識をより厳しく確認する内容へと改められました。
技能試験についても、横断歩道通過時の対応や右左折時の安全確認などの採点をより厳格にし、実際の交通場面を想定した評価が強化されています。
制度見直しの背景
外免切り替えは、ジュネーブ条約に加盟していない国から来日した外国人などを中心に利用されています。2024年に免許を切り替えた外国人は約6万8千人に上り、2015年と比べて2倍以上に増加しました。
一方で、外国人運転者による交通事故も増加傾向にあります。2025年に発生した外国人運転手による交通事故は7906件、死亡・重傷事故は587件で、いずれも過去10年で最多となりました。
住民票提出を原則必須に
昨年10月の見直しでは、試験の厳格化に加え、申請手続きも変更されました。
これまでは「一時滞在証明」でも申請が可能な場合がありましたが、現在は原則として住民票の写しの提出が必須となっています。住民票のない外国人観光客は、外免切り替えが認められない運用へと改められました。
ただし、制度変更後も利用者数に大きな減少は見られておらず、警察庁は「短期滞在者の利用はそれほど多くなかった可能性もある」としています。
今後の課題
外免切り替え制度は、訪日外国人や在留外国人の増加に伴い、今後も重要な役割を担う制度です。一方で、日本独自の交通ルールや運転マナーへの理解を十分に確認することが、安全確保の観点から不可欠です。
警察庁は、今後も知識・技能の確認を徹底し、交通事故の防止につなげたい考えです。制度の適正な運用と交通安全の両立が、引き続き問われることになります。
<引用:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD0254Q0S6A300C2000000/>

